全国各地でリチウムイオン蓄電池からの出火が増加傾向にあります。
令和5年中のリチウムイオン電池関連の火災状況を見ると、令和5年中は167件発生し、過去最多となっており、負傷者は14名発生しています。
リチウムイオン畜電池はいろんな製品に使われており、私たちの生活にかかせない物となってきました。
生活が便利になる反面で、火災のリスクも高まっています。
今回は、リチウムイオン畜電池火災の危険性と対策をご紹介します!!
リチウムイオン電池とは?
みなさんは、リチウムイオン蓄電池が何に使われているか知っていますか?
リチウムイオン蓄電池は、携帯電話やパソコン、バッテリー、自動車などに使用されています。
電池と聞くと、使い切りタイプの乾電池を思い浮かべると思います。
リチウムイオン畜電池は、充電することで繰り返し使用できる二次電池にあたります。
充電することができる製品は、リチウムイオン電池が使われているのです。
リチウムイオン電池の仕組み
リチウムイオン蓄電池は、プラチナを含む正極と炭素素材である負極、さらにリチウムイオンを通しやすい電解質から構成されています。
正極と負極はそれぞれリチウムイオンを蓄えられるようになっており、このリチウムイオンが電解液の中を通って正極、負極と移動することで、エネルギーを貯めたり使ったりすることができます。
火災のメカニズムと原因
火災のメカニズム
東京消防庁がリチウムイオン蓄電池の火災メカニズムを下記のような結論を出しています。
リチウムイオン蓄電池は、電解液として可燃性の有機溶剤を使用しているため、衝撃等により内部の正極板と負極板が短絡し、急激に加熱後、揮発した有機溶剤に着火して出火することがある。
東京消防庁<安全・安心><リチウムイオン電池搭載製品の出火危険> (tokyo.lg.jp)
火災の原因
主な出火原因は機器の不具合が多いです。いわゆる製品火災というものです。
【製品火災とは】
自動車、電気用品、燃焼機器など、私たちの日常生活に欠かせない身近な製品が火災の原因となることがあります。
その中でも、製品の欠陥や不具合によって発生した火災を「製品火災」といいます。
他には、「不適切な使用によるもの」があります。
製品の説明書と違う使い方をしたり、分解や改造、耐用年数以上の使用で火災が発生しています。
リチウムイオン蓄電池の火災事例
どういった製品が火災となっているのでしょうか?
令和5年中に発生した火災の製品用途別の出火原因数のランキングはこちらです。
第1位 モバイルバッテリー
第2位 携帯電話機
第3位 電動アシスト自転車
どれも私たちの生活にかかせない物ばかりですね。
第1位のモバイルバッテリーは携帯電話の充電で使われる製品が多いです。
1位と2位が携帯電話関連となりました。
近年では、電動アシスト自転車が普及し始めたため、来年度の出火件数は増加すると思います。
リチウムイオン蓄電池火災の対策
モバイルバッテリーを使うときは、衝撃を与えない、使用する前に取扱説明書をよく確認することを心がけましょう。
モバイルバッテリーを購入するときは、過電流保護や過放電保護を選ぶようにしてください。
私が使っている「MOTTARI Q8 モバイルバッテリー」は、過充電保護・過電流保護・過放電保護・過電圧保護・加熱保護が備わっている優れものです。
せひ参考にしてみてください!
リチウムイオン蓄電池火災に水をかけても大丈夫?
結論から言うと、水をかけても問題ないです。
ただし、多量の水をかけることが重要です。
リチウム金属はアルカリ金属であり、水と激しく反応し水素の発生と発熱を起こします。
少量の水では発熱の影響が大きくなりますが、多量の水をかけると水による冷却効果の方が高いため、発熱を抑えられます。
しかし、多量の水を常に用意することはできません。
そんなときに役に立つのが「消火器」です。
消火器は、電気火災にも適応しているため、水以上の消火能力があります。
容易に手に入りやすく、場所もとりません。電気火災のほかにも普通火災や油火災にも適応している優れものです。
まとめ
今回の記事は、リチウムイオン蓄電池の火災についてお話しました。
リチウムイオン蓄電池は私たちの生活にかかせない物となっています。
生活を豊かにしてくれる反面、危険があるということを忘れていはいけません。
命と財産を火災から守るために、防災の意識を高めていきましょう!